Kさんには好きな飲み物を自動販売機で購入した経験がありました。それ以降自動販売機を見かけるとその場に座り込み、対応しようとする職員の胸ぐらをつかむ様子が見られることもありました。
また花粉症の時期や夏場など体調が不安定な時期には、地面に座り込む行動が増える傾向もありました。
CASE 療育の事例紹介
自閉症・重度知的障害者 Kさん

年齢: | 20代前半(区分6) |
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症状: | 自動販売機の前に座り込み寝転がる。 |
通所前の様子
あいぽ利用後の変化
はじめにコーヒーを飲めるタイミングを伝えるため、大きなカードでスケジュール提示を行いました。しかしカードの意味を理解することは難しい様子でした。
そこでスケジュール提示をカードではなく具体物である「コップ」に変更しました。するとKさんは「コップ=コーヒーをもらえる」という意味を理解できたようで、コップを含むスケジュールの流れ全体を把握できるようになりました。その結果自動販売機の前で座り込むことなく、職員が提示したスケジュールに沿ってスムーズに移動できるようになりました。
スケジュールを理解できるようになったことで座り込みは減少しましたが、次に課題となったのが体調が優れない時期の嗜好の変化への対応でした。普段は大好きなコーヒーでも、花粉症の季節など体調がすぐれない時には受け入れにくくなることがあったのです。
そこで新たな工夫として、コーヒーだけでなく、Kさんの好きなお菓子であるラムネも用意しました。支援の中で「コーヒー」または「ラムネ」を自分で選べるようにしたことで、その日の体調に合わせて柔軟に切り替えができるようになりました。
一時的なこだわりが落ち着けば再びコーヒーも好んで飲むようになり、現在も活動の合間や移動のきっかけとして楽しみにしています。
好きなものをきっかけにしながら、その時々の状態に合わせて支援を工夫することで、安心して日々を過ごせるようになっています。
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